トータルリフレッシュサービス オーバーホール・レトロフィット
- 事例紹介
- デック 株式会社 様(広島県)

- 金属メーカー
- オーバーホール・レトロフィット
新品を購入するよりも、
使い慣れた機械をオーバーホールしたほうが得策。
コストメリットが大きいことを実感しています。
Details
メインはインジェクション成型に関わる車の金型ですが、中でも大物外板に特化した部品の金型をつくるため、
西日本・九州・中国地方のなかでも最大級の加工機を有し、顧客のニーズに応えています。
対象機 | 1987年製 HNC2512-A30 |
---|---|
実施内容 | 主軸オーバーホール、NCレトロフィット、案内面再研磨、イケール再加工、 |
お話を伺った方 | 代表取締役社長 湯川 謙二 様
|
オーバーホールに至ったきっかけ
NCレトロフィットを含めたオーバーホールの提案

湯川様
HNC2512-A30は、かつては荒取りから中仕上げまでを担っていた機械でしたが、使い始めてから36年ほど経ち、中仕上げができなくなっていました。
NC装置も古く、加工スピードも上がらない。長い月日の経過とともに、故障による停滞や修理費用がかさんでいたこともあり、新しい加工機の導入を検討し始めました。
検討する中で、マキノさんの工場へお伺いし、同じタイプの機械がオーバーホールされているのを拝見しました。この時に、NC装置のレトロフィットを含めてのオーバーホールを提案していただきました。「こんなことができるのか!」と新しい発見でした。この機械にオーバーホールを施せば、あと20年は活用できるだろうと考え、コストメリットが大きいと判断しました。
基礎工事が不要、周囲の加工機に与える影響なし
湯川様
新しい機械を導入すると、少なくとも1か月以上の基礎工事が必要になります。また、コンクリートを取り壊して所定の深さまで掘削し、さらにコンクリートを打設しなければなりませんから、どうしても周囲の加工機にも影響がでてしまいます。他にも、新しい機械を導入するには既存の機械を移動するなど、レイアウトを変更しなければならず、その間、稼働率が低下します。
その点、機械のオーバーホールなら、基礎はそのまま、工事もレイアウト調整も不要になります。費用だけでなく時間も節約できる利点は非常に大きいですね。
コストメリットの大きさを実感
主軸オーバーホールの効果を実感
大上様
もともと「HNC2512」は主軸の剛性が高く、負荷に強い機械でしたが、さすがに30年以上経過すると油漏れやエア漏れが発生してしまう。
オーバーホールを実施してから、そういった問題が全くなくなりました。
今回、工作機械の心臓ともいえるスピンドルの内部までオーバーホールを施し、新品同様に生まれ変わったことで、二次元の穴加工ができるようになりました。このメリットはとても大きい。荒加工でも精度よく加工ができれば、次の工程には影響が少なくなりますから、切削工具の長寿命化にも繋がります。弊社はチップを使った加工が多いのですが、工具の持ちが格段に上がりました。
湯川様
機械を高速で動かすことができれば、加工時間を短くすることができます。そのぶん、消耗する工具への負担が少なくてすみます。高速加工にこだわりを持つ弊社の要望に真摯に答え、取り組んでくださり、感謝しています。
オーバーホールした「HNC2512」を持っていることが強み
湯川様
この機械が市場に登場したのは約40年前だったと記憶しています。当時の主軸はギア駆動でしたので、主軸が非常に強く、どの機械とのバランスも良かった。そこが大きな魅力でした。
最近の工作機械は高速加工を重視したビルトインモータ駆動が主流になっているので、ギア駆動の主軸をもった新機種は手に入らない。その状況で“オーバーホールした「HNC2512」を持っている”ことは競争力の強化につながり、弊社の強みのひとつになると感じています。
大上様
今回のオーバーホールで荒取りが非常に速くなり、中仕上げまでカバーできるようになりました。他の機械への負担が少なくなり、外注に出す頻度も少なくなりました。加工におけるトータルコストの削減につながり、大変満足しています。剛性の強い機械を持っているのですから、それを活用しない手はないですね。
カーボンニュートラルも視野に
大上様
以前の古い制御装置のときは、機械を操れるオペレーターが限られていましたが、今ではボタンの場所さえ覚えればスムーズに加工ができるようになりました。
湯川様
NC装置のレトロフィットやモーター交換など様々な改修をしていただいたことで、待機電力や電機の使用量なども削減でき、エネルギー消費を抑えて稼働することが可能になりました。これは、コストの問題だけではありません。製造業を営むうえで、環境への配慮やカーボンニュートラルへの取り組みが必要だと思っています。
メンテナンスの重要性を再認識
大上様
今回オーバーホールをしましたが、機械は日頃からしっかりメンテナンスしていかなければならないと再認識しました。例えば、メンテナンスシートを作成しておけば、経験の浅い方でも状態が把握しやすいものです。一番困るのは機械が止まることですから、日常メンテナンスや保守について、人材育成の観点から情報を共有しながら教えていくことの必要性も感じました。
思い切ってオーバーホールして良かった
オーバーホール機のこれからの活躍に期待

湯川様
オーバーホールをするにあたって当初は不安もありましたが、担当者が疑問点に真摯に応えてくれたことがありがたかったです。
連絡をしたときのレスポンスもスピーディでした。牧野技術サービスは、営業担当者と技術部隊が連携して対応してくれるうえ、
サービスの面では、土日でもアクシデントがあった場合、すぐに対応してくれる。こうした安心感から、強い信頼関係が構築できたと思っています。
この機械には、あと20年、しっかりと活躍してもらうつもりです。
主な実施内容
お見積りやご相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。