主軸軸受の潤滑と、パフォーマンス維持のためにできること

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主軸とは、加工を施す工作物、または工具を取り付けて回転させる軸のことです。
下図は、マシニングセンタの代表的な主軸駆動方法の例です。

 

 

マシニングセンタ

 

マシニングセンタの主軸は、一般的に、軸受によって保持され、適切な回転数及び剛性によって、金属切削を可能にしています。

軸受は、要求される回転数及び剛性を実現するために、「グリース潤滑」、「オイルエア潤滑」、「ジェット潤滑」など、様々な潤滑方式を採用しています。機種・仕様における潤滑方式は製品カタログまたは、機械仕様書を参照ください。

軸受けの潤滑の種類と特長
グリース潤滑:軸受内に適量のグリースを封入しています。メンテナンスが容易なことが特長です。低速から高速まで低温度上昇で使用することができ、特に低速回転仕様機に適しています。

オイルエア潤滑:潤滑油を混入したエアーを、軸受に吐出します。主軸の高速化・高精度化に伴い、主軸軸受に広く採用されています。ただし、潤滑油による冷却効果は無く、エアーによる冷却効果のみとなります。油の消費量が少ないことはもちろん、エアーの吹付により、切削油などの軸受への浸入を防げることが特長です。

ジェット潤滑:温度制御された冷却潤滑油を、軸受に高速で噴射させます。冷却効果が大きい潤滑方法で、オイルエア潤滑よりもさらに高速で回転させることが可能になります。主軸自体の熱変位の制御ができる点が特長です。
ジェットエンジンやガスタービンの主軸受けなどでも広く使用されています。
当社ではアンダーレース潤滑という表現をする場合もあります。

軸受けのパフォーマンス維持のためにできること
基本的には工作機械メーカの設計によって、軸受の機能は維持継続されていますが、
メーカが推奨する潤滑油と清浄なエアーを用いることで、安心して機械をお使いいただけるだけでなく、工作機械の性能を最大限にご活用いただけます。

牧野フライス製作所が推奨する清浄なエアー
     最大粒子径 0.1μm以下
     最大加圧露点 7℃以下
     最大油分量 0.06mg/立方メートル以下    (ISO8573-1に基づく)

牧野フライス製作所が推奨する潤滑油
ジェット潤滑の場合:マキノスピンドルルブリカント(部品番号:Z479A0915321)
※2023年7月時点の情報です。部品番号は変更になる可能性がございます。

オイルエア潤滑の場合:機械付属の説明書をご参照ください

 

 

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