圧縮空気の清浄度

  • 予防保全

圧縮空気は、主軸・ATC・送り軸スケール・クーラント等、工作機械の様々な箇所で使用されています。
そのため、圧縮空気を作り出すコンプレッサのトラブルや、
圧縮空気に水分・油分・ゴミが含まれることによる清浄度の低下は重大な機械障害につながります。

圧縮空気の簡易チェック

次の状態が1つでも当てはまる場合は要注意です。
圧縮空気の品質改善を早急に実施してください。

①ドレンに水分・油分が混ざる。
②エア配管の接続部分から水分・油分のしみ出しがある。
③ワンタッチカプラに指を入れると水分・油分・ゴミが付く。
④機械のエア配管が不純物により茶色く変色する。
⑤エアコントロールユニット(標準)のフィルタが変色する。(劣化が早い)
⑥エアブローガンから水分・油分が吐出される。

対策の遅れは各装置の正常動作の妨げとなり、重大な障害の原因となり得ます。

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汚れたフィルタエレメント
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不純物により変色したエア配管

圧縮空気の清浄度低下によるトラブル事例

エアシリンダ
ATCの駆動や、シャッターの開閉等に使用しています。
清浄度の低い圧縮空気がエアシリンダに供給されることで、内部のシール不良や、動作不良などのトラブルを引き起こします。

読み取り装置(スケール)
送り軸の位置決めに使用しています。
清浄度の低い圧縮空気が供給されることで、読み取り不良が発生し、アラームによる機械停止を引き起こします。
また、加工精度に影響する場合もあります。

エアの供給回路とメンテナンス

工作機械のエア供給回路は下図のように構成されています。

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メンテナンス
油分、水分、ゴミを含んだエアは機械に悪影響を及ぼす恐れがあります。
エア供給回路の定期的な点検およびメンテナンスをお願いします。

・機械使用前にエアコントロールユニットの圧力確認を行ってください。
・圧力が正常でない場合は、圧力を調整してから機械をご使用ください。
・空圧フィルタが目詰まりしている場合は、フィルタを交換してください。

※フィルタ交換時は必ず機械の電源を切り、エアコントロールユニット内部の圧力を抜いてから作業を行ってください。
※フィルタの交換周期、交換方法の詳細、必要部品は定期保守説明書をご確認ください。

コンプレッサ

圧縮空気の供給元であるコンプレッサのトラブル対策も行いましょう。

ドレン抜き(水抜き)
コンプレッサによって圧縮された空気は、大気中の水分を多く含んだ状態でコンプレッサ内部のタンクに溜まり、
外気との温度差により結露が発生します。
この結露をドレン抜きせずに放置すると、エアタンクや内部の配管が腐食、
コンプレッサの負荷増加に留まらず、供給先である機械側へ水分が流れ込みトラブルにつながります。
定期的なドレン抜き(水抜き)をお願いします。

湿気/粉塵/熱対策
湿気が多いとドレン(水分)は溜まりやすく、粉塵の多い場所ではコンプレッサのフィルタが目詰まりを起こしやすくなります。
湿気や粉塵はコンプレッサの動作不良や故障の原因となりますので、コンプレッサの設置位置にはご注意ください。
エア圧縮時、コンプレッサには熱も発生します。
コンプレッサに熱が溜まりすぎないよう、直射日光を避け、外気循環の確保をお願いします。特に夏季はご注意ください。

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