
工作機械の運動軸
高い精度の加工を行うには、高い精度の工作機械が必要ですが、
工作機械の精度を維持するためには定期的な精度測定が重要です。
本記事では主に精度測定に使用される代表的な測定機材についてご紹介します。
テストインジケータ
機械精度を確認する際に必ず使用する測定器の一つ。
測定子の角度を自由に変えられるため、高精度かつ測定の自由度が高い測定機器です。
正しい姿勢で測定しないと、測定誤差が生じます。
また、取付を間違えるとテーブルに傷をつける事故につながるため注意が必要です。
電気マイクロメータ
接触式測定子をもつ検出器を用いて微小変位を電気量に変換して測定する測定機器です。
使い方はテストインジケータと同じですが最小単位が0.1μmと、とても高精度のため高精度機械の精度測定に使用されます。
有線の電気マイクロメータを使用する際は、配線の取り回しを考えて段取りする必要があります。
精密水準器
機械の水平を確認して調整するために使用している測定機器です。
工作機械等の据付やレベル出しに使用されます。
気泡式水準器は液体(アルコール、エーテル等)が満たされている容器内の気泡の静止位置で機械の傾きを測定します。
水準器の気泡は温度変化や振動で長くなったり短くなったりします。
正確に測定を行うために、測定前に気泡長を調整する必要があります。
※調整方法はメーカーによって異なる場合があります。取扱説明書をご確認ください。
精度には静的精度、動的精度があり、どちらも工作機械の精度として重要な要素です。
静的精度とは
無負荷・静的な状態(静止状態)における構成要素の形状、位置、運動、相対的な姿勢の幾何学的な正確さのことです。
→静止状態における真直、直角、平行などの幾何精度。
動的精度とは
運動、姿勢の正確さ、機械に作用する力・速度が変動する状態での特性の一つです。
→機械動作中における精度。
工作機械の精度測定項目には主軸の振れ精度測定、振動測定があります。
測定自体は似ていますが、振れ精度は静的精度、振動測定は動的精度と、異なる要素について診ています。
機械の安定稼働のために、定期的な機械点検と保全計画をお勧めします。
マキノマシンケアパッケージでは精度測定に加え、お客様の機械にあわせた項目で機械点検を実施し、保全をご提案します。
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