
切りくずの除去
ドラムユニットはリフトアップチップコンベヤを有するクーラントタンク内に内蔵されるユニットです。
ドラムユニット表面に固定されているフィルタが目詰まりを起こすと、重大なトラブルにつながる可能性があります。
本記事ではドラムユニットの自動洗浄機構(逆洗浄)についてご紹介します。
リフトアップチップコンベヤは、ダーティ槽内に流入した切削液から切りくずのみを機外へ排出します。
その後、切削液はドラムユニットを通過して、クリーン槽へ送られます。
この時、ドラムユニット表面に固定されているドラムフィルタにより切削液が濾過されます。
フィルタに付着した切りくずは、ドラムユニット内部のフィルタ洗浄ノズルから切削液が噴出(逆洗浄)することで除去されます。
※ドラムユニットのフィルタは1年ごとに交換が必要です。
リフトアップコンベヤ稼働時、逆洗浄により常時ドラムユニットの内側から切削液が吐出しています。
しかし、切りくずの材質、形状、切削液との相性によっては、切りくずがうまく除去されずドラムユニットにまとわりついてしまう可能性があります。
その状態で使用を続けると、フィルタが目詰まりを起こし、ダーティ槽側の切削液がオーバーフローします。
また、フィルタが破れ、クリーン層側に切りくずが流れ込むことで、各ポンプの吸込み口で詰まりが発生します。
定期的に目視でドラムフィルタの状態を確認し、逆洗浄ノズルから切削液が吐出していることを確認してください。
左の写真はドラムフィルタの周りに切りくずが堆積し、ダーティ槽からクリーン槽へ送られる切削液の濾過を妨げている様子です。
このような場合は、切りくずの清掃、ドラムフィルタの点検が必要です。
逆洗浄量の点検、調整も実施してください。
右の写真のようにドラムフィルタの周りに切りくずが堆積していない場合は、フィルタ内部の逆洗浄ノズルから切削液が吐出されていることが確認できます。
※作業は機械の電源を入れた状態で、機械の動作がすべて停止していることを確認してから行ってください。
【逆洗浄量の点検】
①電源を入れ、ノズルクーラントを吐出させます。
②ドラムユニットのフィルタの内側から吐出する逆洗浄量が適量であるか、点検窓から確認します。
③ノズルクーラントを停止させます。
④逆洗浄量の点検は終了です。逆洗浄量が適量でない場合は、調整してください。
【逆洗浄量の調整】
①電源を入れ、ノズルクーラントを吐出させます。
②切削液吐出時、圧力計(1)が規定値となるように、調整バルブ(2)で調整します。
※圧力の既定値は定期保守説明書を確認してください。
③点検窓から確認しながら、切削液吐出時のフィルタ内側から吐出する逆洗浄量が適量になるように、調整バルブで微調整します。
④ノズルクーラントを停止させます。