
切りくずの除去
ワイパは工作機械の送り軸カバーに設置されている部品で、摺動部の隙間を埋めることで切りくずや異物の侵入を防ぎます。
ワイパは消耗品ですが、機械に障害が発生してからその破損に気づくことも少なくありません。
ワイパの破損を防ぐためには、日常的な点検と適切なメンテナンスが重要です。
工作機械を稼働させ加工を行う際には、鉄や鋳物、樹脂、アルミなどの切りくずが大量に発生します。
また、加工時には潤滑、冷却、切りくずの除去を目的としてクーラントを使用します。
ワイパはカバー内部への切りくず・クーラントの侵入による軸部品のトラブルを防ぐ大切な役割を担っています。
ワイパ(X軸,Z軸)
機械を長期間使用することでワイパは劣化し、破損することがあります。
そのまま機械を使用し続けると、切りくずやクーラントがカバー内部へ侵入し、リニアガイドやボールねじ、各種配線等の早期摩耗、損傷につながります。
事例① ワイパ,スライドカバーの損傷
ワイパがすり減り、切りくずが噛みこんだことにより、スライドカバーが傷つき、ワイパも損傷していた。
カバーの傷(直線状、へこみ)が大きく、一部ゆがみも生じていたため、ワイパ交換後もワイパが接地しない個所が発生した。
損傷が大きい場合はワイパ交換だけでなく、スライドカバーの交換も必要となる。
事例② ケーブルの早期損傷
ワイパの劣化により隙間が発生し、クーラントや切りくずが機械内部に侵入。
結果、ケーブルの早期損傷を起こした。
摩耗
異物の付着
取付け不良
ワイパは摺動部に取り付けられている部品のため、一般的な寿命は短いです。
機械に障害が発生してからワイパの破損に気がつくことも少なくありません。
ワイパの性能と機械寿命を保つため、以下のポイントに注意してメンテナンスを行いましょう。
清掃
ワイパの破損はボールねじや軸部品の故障につながります。
安心して機械をお使いいただくために、日常的にワイパの状態を確認しましょう。
異常が見られた場合は新しいものに交換してください。
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